(『バナナサンド2時間SP』『千鳥の鬼レンチャン』のネタバレがあります)
深澤辰哉が売れ始めるのでは。
私は、無表情でただただ立つだけの彼の姿を見て、そう思った。
『バナナサンド2時間SP』にて、ふっかさんの「カメラにもっと映りたい」というお悩みにバナナマンの日村さんが答えるというテイで放送があった。
「カメラに映らない」=「ソロパートがない」ということに直結させて、不快に、あるいは悲しく感じる方もいるかなとは思ったけれど。
もう、そのソロパートのなさが、ふっかさんが売れるための壮大なフリなんじゃないかと思えてきた。
Snow Manは国民的アイドルなろうとしている。
いや、世界も見据えている。(中国語を勉強してるのが証拠)
そこで思うのが、まず国内での男性人気を獲得することが重要なんじゃないかってこと。
ジャニーズというのは多くの男性からすると女性からキャーキャー言われる存在で、自分の恋人がジャニーズに夢中だった日にゃ、あまり気分のいいものではないのかなと想像する。
夫もジャニーズが嫌いな人だが「ちょっと顔がいいくらいでキャーキャー言われやがって」といった感じで嫌いらしい。わかりやすい。わら。
偏見かもしれないが、男性はジャニーズを好きになりにくい気がする。
それはひがみ的な面もあると思うが、やはりファンが圧倒的に女性が多いと言うのも一因なのかなと。実はとっても好きだったとして「オレ、ジャニーズ好きなんだ」とは言いにくいのかなと思った。
それと、カッコいいところを見てジャニーズの誰かのファンになることは、男性だっておおいにありうると思うのだが、周囲に「カッコいいから好き」とは言いにくいのかな、と感じた。(中学生の時ジャニーズが好きという男子がいたのだが、他男子から「そう言うと女子としゃべれるからウソ言ってんだろ」と責められていた。なるほど、そういう下心アリで言う子もいるのかと思った)
そうすると「カッコいいのに面白いから」とか「こういう特技を持っているところが尊敬できるから」とか「○○に詳しくて極めてるから」とか、ただの「カッコいい」だけではなくて、何かプラスアルファがあるとファンだと言いやすいのかと思った。
そして「ジャニーズなのに……」という同情を得るパターンも、自分がファンだと言いやすくなるのかなと思った。
ジャニーズなのに、劣っている、できない、虐げられているという面を見せると、男性は同情したり、共感したりしやすいのかと。
「ジャニーズなのに、そんな目に遭ってるんだ」
「ジャニーズなのに、そんな悩みを抱えてるんだ」
「ジャニーズなのに、そんなにできないんだ」
などなど。
そうすると「そんなジャニーズだから、オレは応援したいんだ」と思うようになる。
そうすると「ジャニーズが好きだ」と公言しやすくなり、
そうすると「実は自分も好きなんだ」と声をかけられ、
そうすると「嫌いだったけど、おまえの話聞いて、なんか見るようになって、気づいたら……」と告白され、
………といったことが起き始めるのではないか。
公言しないまでも、応援したくなるのではないか。
そう。
バナナサンドでのふっかさんは、まさにこのパターンをネラっているのではないか。
この同情&共感パターンは、一緒に出演していたラウちゃんやさっくんには使えない。
ラウちゃんは、ふっかさんが「カメラに抜かれなくて不憫だ」というところを強調するための代表的存在として出演してるわけだから。(この番組でのラウちゃんは、ふっかさんの引き立て役を担っていることになる)
ラウちゃんは賢くてふっかさんが大好きだから、その役割をちゃんと理解していて、的確な返しをしていた。(もちろん、仕事だという面もあるけれど)
だけどラウちゃんがここで自ら「センターなんで」的発言をしすぎると、ただの嫌味になってしまう恐れがある。
単純にいじめっ子に見えてしまうというか。
そんな11歳も年下のくせに、そんなことを言うなんてと反感を買って、ふっかさんを引き立てるという役割が果たせなくなってしまう恐れがある。
そうなるとラウちゃんがイメージダウンしてしまうことになるし。
そこで同じメンバーであるさっくんというサポートがいるわけだ。
ふたりが優劣があるという関係(というテイ)ですよと、第三者的でありながら、でもメンバーではあるので完全に外部の人間ではないという絶妙な立場からアシストする。
そして、二人をますますおいしい状態に、そしてふっかさんを主役にするという最大目標に向けてラウちゃんと協力して流れを作っていくわけだ。(バナナマンさんも加担しているけど、これは番組進行の立場にいるので、ちょっと違う)
そしてありがたいことに番組は、そんなふっかさんをただ“同情&共感パターン”だけで終わらせるのではなく、ドッキリにまでかけてくれた。
ふっかさんの「オレはカメラに抜かれないかわいそうなヤツ」というポジションを貫くプロ根性だけでなく、ドッキリをしかけて「素の部分」も引き出してくれたわけだ。
ありがたい、ありがたい。
ふっかさん、ラウちゃん、さっくんが、ある意味プロとしてのお仕事を、ただただ真っ当しようとしているところに、彼らの人柄を感じさせるリアクションを引き出して、ますます彼らの魅力をアピールさせてくれた。
ありがたい、ありがたい。
新曲が発売されることも、この曲を日村さんが踊ってくれることで、なんとも強いPRになった。(まあ、これが最大の出演理由なんだろうけど)
ありがたい、ありがたい。
ということで、いろいろと非常に、ふっかさんにとっても、Snow Manにとっても、ニューシングル「HELLO HELLO」にとっても、おいしくてありがたい番組になったというわけだ。
そして、ふっかさんがジャニーズでありながら、グループでは最年長メンバーで、11歳も年下の華のあるメンバーにカメラ映りを奪われてしまうかわいそうな人だという“同情&共感”を得られるポジションを、ゴールデンタイムの番組で印象づけることができた。
また、その数日前には『千鳥の鬼レンチャン』という番組で、クレーンゲームという多くの人が経験があるだろうアイテムで、鬼レンチャンを最後の最後で達成するという、番組的にも非常にいい流れで特技を披露できている。(これもゴールデンタイムの放送)
そう。
ただのかわいそうな人ではなく、そういう多くの人が難しさを理解できる特技があるというところも披露できているのだ。
おいしい。おいしいじゃないか。
バナナサンドはTBS、鬼レンチャンはフジテレビ。
同系列局でないところも、おいしい。
そして、そんな深澤辰哉に興味を持った人たちは、深澤辰哉がいかにカメラに映っていないかを確認しようとするだろう。
少なくとも『バナナサンド』を見たならば、本当に無表情で動かないかどうかを、何かしらの音楽番組でチェックしようとするはずだ。
それをいつするかということを明言していなかった点を考えると、これから出演する音楽番組すべてでやるかもしれないし、『バナナサンド』放映後直後の番組でやるかもしれないし、ずっとやらないで引っ張って引っ張って「やらんのかーい!」というツッコミを我々にさせつつ結局やらないか、おそらく「HELLO HELLO」お披露目的には最後と思われる番組で満を持してやるかもしれない。
もっといえば『バナナサンド』が追ってくれるかもしれない。
いずれにせよ、ふっかさんに注目せざるえないわけだ。
そうすると、ふっかさんのパフォーマンスを気にする人が増える。
↓
魅了される。
↓
あんまり映らないことに「ホントだ!」と笑って、ますますふっかさんのファンになる人が増える。さらには歌番組をチェックするようになるので自然と「HELLO HELLO」を耳にしてしまう。またチェックしないまでも、どこかで流れてきたら気にするようになる。
↓
ふっかさんのパフォーマンスが魅力的だということに気づいた人が増えて人気が出て、映されることが増える。もしくは映されなかったとしても、それをいじる時間が別枠で設けられるようになり、ますますふっかさん自体が注目されていく。
↓
結果、深澤辰哉個人の人気が上がる。仕事が増える。
(ついでにCDも売れる)
という図式になっていくのかな、と。
なんてったって「好かれる人」深澤辰哉だ。
視線をこちらに向けさせさえすれば、もうあとはふっかさんを好きになるだけだ。
しかも、Snow Manで同情&共感パターンを使えるのはふっかさんしかいない。
(ラウちゃんは華があるセンターということで、照くんは肉体で、阿部ちゃんは頭脳で、しょっぴーは歌と美容で、舘様はいろいろと渋滞しているキャラとパフォーマンスで、さっくんはダンスとヲタクで、めめちゃんは王道で、康二くんはバラエティ力で人気を獲得するのが正しいと、個人的に思うので)
そして、この方法は男性だけでなく、多くの世代にも響きやすいと考える。
そうすると。
ねえ。
それに。
2番組ともゴールデンタイムで、その両方に出演したのはふっかさんだけなんだよ。
しかもスペシャルだったんだよ。たぶん、ほぼ全国放送だったんだよ。
……………売れる予兆じゃない?