西洋占星術に詳しい知人に泣きついて、イノッチを占ってもらった。
「社長じゃないんでしょ？」
「副社長。でも、会見見てるとキーパーソンって感じなんだよ」
「社長じゃないとしたら、社長とどういう相性かってのをみることになるんだけど…」
「そこらへんは任せるからみてくれ！」
「イノッチ(敬称略)は出生時間不明なのね。だから細かいことはわからない部分もあるよ」
「それでもええから！」
「……うーん、確かに変革期ではあるけど、どちらかというと良い変化のとき。ただ体調がよくないかなぁ。もともとあまり健康運がよい感じじゃない人なんだよね。我慢強くてなかなか倒れないけど、具合が悪くなった時は、かなり悪くなってることが多いタイプ。だからこまめにチェックが必要な人だね。運気的に去年ぐらいから体調はあまりよくなくて、これはあと数年続く。病気にかかってしまうと長く悩まされる可能性が高いから、いつも以上に健康に気をつけたほうがいいかな。とくに今月、10月は要注意だよ」
健康か……。でも、きっと忙しいだろうから、悪くしてしまいそう……。
「ただ、しっかりとケアすれば乗り切れるから、自分に合ったメンテナンスをすることだね。マッサージとかもいいんだけど、音楽とか映画とか舞台とか鑑賞しても、自分自身がやってもいいし、ペットをかわいがるとか、いいお酒を飲む時間を作るとかもいいんじゃないかな」
私、イノッチが今どのような活動状態か知らないからなんともいえないけど、トニセンで何かやる予定なら、それをする準備とかあったほうが気分転換になって楽しいのかな？
『出没！アド街ック天国』がレギュラーなくらいしか知らないなぁ。
でも、ジュニアが関わるライブや舞台を視察に来てるらしいから、それを楽しんでくれるといいなぁ。
「でも、健康運以外はそんなに今年は悪い運気じゃないよ。力を手に入れられる、権力を握れるって時でもある。ただ10月の運気はあまりよくないから、11月になったら努力が報われる運気になっていくと思う。すんごくいい運気ってわけじゃないけど、なんていうか、もうちょっと有利に戦っていけるんじゃないかな。ただ周囲と激しくやりとりはしていかなきゃいけないから、もちろんそこには衝突もあるだろうけど、しっかり話し合いができるって感じだよ」
「そうなんだ。それならいいけど。まったく良くない運勢でもないってだけでも、ちょっとホッとするな」
「変革運があるし、権力握れそうっていう、どちらかというと強い運気が今年から入ってきてるからね。そういう時って、その直前に追い込まれる現象が起きることも多いよ。『その強い運気を手にするからには、おまえがそれにふさわしい人物かどうかテストするぞ』って神様が試練を与える感じっていったらいいかな。だから、すごく辛いことが起きる人も多いの。だけど、それを乗り越えたり、乗り越えようとしたりすると、それに見合った報酬っていうか、『やってよかった』『がんばってよかった』ってものを与えられることが多いよ」
「ほう」
「ヒガシはもともと持ってる運勢が強かったし、イノッチも今年、強い運気に入ってきてるから、ふたりがトップになったのは、さほど悪いことじゃないと思うけどな。ふたりの相性もいいよ。食べ物の好みが合わないくらいで。わかりやすい表現をすると、ヒガシがイノッチのパトロンとか、イノッチが店長の店のオーナーみたいな感じっていえばいいかな。イノッチをかわいがって、イノッチのやることにお金を惜しみなく出して応援するという関係性。イノッチ側からみると、その関係性にプラスして、ヒガシをとことんサポートする優秀な秘書……っていうか、戦地で深い絆で結ばれた部下と上官って感じが加わる」
相性がいいのはよかった。
だったら、だんだんと持ち直すっていうか、今回のことはふたりにとって、神様の試練的なことで、今テストを受けてる最中って感じなのかな？
彼らなら乗り切れそうだし、11月になったら、また違う展開が待ってるのかな。
ともかく、ふたりが悪い運気というわけじゃなくてホッとした。
「どうして彼らが選ばれたかは知らないけど、この人たちなら乗り切れるだろうって星の采配もあるのかもね。ともかく相性もいいし、私からはそんなに悲観的な展望はないけどな」
「ありがとう！ちょっとホッとした」
「それはなにより」
「で、堂本光一くんのことなんだけど……」
「え？」
