(関ジャニ∞出演『行列のできる相談所3時間スペシャル』のネタバレがあります。)
先日『行列のできる相談所3時間スペシャル』にて、関ジャニ∞が結成20周年ということで歴史を振り返る的な番組をやっていた。
さほど関ジャニ∞に詳しいわけではないが、デビューした時、関西ジュニアからの初のデビュー組で(KinKi Kidsも関西だが、さほど関西色を打ち出していなかったので、関ジャニ∞を初とさせていただく)、しかもデビュー曲が演歌だというから、それなりに話題になっていたのを覚えている。
それにグループ内にかけもちメンバーがいることも印象的だったし、デビューしてわりとすぐにメンバーのひとりが不祥事で脱退してしまったことも印象的だった。
彼らの出演する番組でおもしろそうなものがあれば見ていたし、さすが関西ということでお笑いについてのカンは彼らはすばらしいものがあり、とくにバラエティでの彼らの振る舞いは泣くほど笑うこともあった。
そして次に彼らに強く注目することになったのは、渋谷すばると錦戸亮の脱退の時だった。
番組では最初のメンバーの脱退については触れず、この二人が脱退したことをサラリとVTRで紹介(とくにVTRで名前も映像も出ていなかったが、渋谷すばるの名は後でメンバーから出た)。しかもその再現VTRを芸人さんがやっていて、なんていうか深刻なムードではなく、とにかくバラエティ寄りに彼らの歴史が語られていた。
その後、VTRを受けて、「ああだったんです」「こうだったんです」と言ったことをメンバーが補足説明ではないけれど、コメントをしていたが、その再現VTRに出ていた芸人さんたちが登場したこと、また司会が明石家さんまだったこともあって、彼らが言うところのグループの歴史的大事件だったんだろうが、こちらが「大変だったんだな」としんみりするというか、感動するというか、そういったことにならない感じで終わった。
これを見て思ったのが、ファンによっては「バカにしてる!」と思う場合と、「軽い内容にしてくれてよかった」と思う場合と、おおまかに分けてふたつに別れるのかなと思った。
メンバー脱退という、ファンにとってはデリケートな内容を扱う場合、賛否両論が巻き起こるのは当然だ。
それはしかたない。
ファンはどう思ってるんだろうとSNSをチェックしてみると、やはり賛否両論で、そもそも脱退を扱うものを見ないとしている人もいるし、脱退メンバーへの扱いがひどいと嘆く人もいるし、残ったメンバーの絆を感じられてよかったという人もいるし、この番組で初めて明らかにされた深いエピソードをこんな番組で語ってほしくなかった、ファンだけが見れるコンテンツで伝えてほしかったという人もいるし、ともかく大きなうねりが生まれているなとは思った。
あと、彼らが今ツアー中で、ツアー最終日を有料ライブ配信すること、その後に先日発売されたアルバムの通常版を購入すると見ることができる特別配信を宣伝するための番組出演だ、売名行為だ的なことを言ってる人もいて、なるほどと思った。
私個人としては、ジャニーズ事務所は株式会社で利益を出さないといけないので、メディアに出演してCDをグッズを雑誌を配信を公演を買ってくれというのは何の問題もないと思うし、むしろそうするべきだと思っている。
だから「そういうものを売るために、そんな番組に出演してるんだ!サイテー!」という感覚はわからない。
だって儲けないと、あなたが欲しいCDもグッズも雑誌も配信も公演も提供されなくなってしまうけど?
そういうものは欲しいのに、メディアに出て宣伝すると「売りたいだけだ」「がめつい!」と批判するのは矛盾している。
しかも、もしそのどれにも金銭を払わず、無料のテレビ放送などを見てるだけでそう言っているとするなら、もう話にならない。
金銭を払っている人が言うなら、まだわかるけれど、払ってもいないのに「儲けようとばかりして!」というのは問題外だ。
(かといって、むちゃくちゃお金使ってるから何でも言っていいというわけではない)
Snow Manのファンになって思うのは、ジャニーズ事務所に対して、ジャニーズ事務所が会社だと思ってる人が少ないんだなということ。
儲けないと彼らが自由にファンのために活動できるようにならないということがわからない人が多いなということ。
「ファンのためになることしかしないで」という人が多いということ。
それなのに「彼らが幸せならいい」と矛盾したことをいうこと。
彼らに幸せになってほしいと言うのなら、彼らが料金が発生するものを宣伝しまくるのを応援(SNSなどで拡散するなど)、または購入することがベストなのだ。
だって、彼らは株式会社ジャニーズ事務所の商品なんだから。
日本は金持ちに対して、また、お金儲けの話をする人を嫌悪する傾向が強い。
それも、「儲けようとするなんて!」と批判的になる要因のひとつかなと思う。
とくにコロナのせいで、関ジャニ∞はその期間シングルCDを数枚発売したものの、ライブができず(関ジャニ∞は配信ライブもしていない)、収益がコロナ前と比較すると明らかになくなったと思われる。
そら、儲けな!となるのは当然だ。
まして5人体制になって初めてのアルバムを引っ提げての、やっとの有観客のツアーだ。
なるべくメディアに登場して、自分たちを宣伝したいところだろう。
そもそも、ここで成果を出さないと、「やはり脱退したメンバーがいないとダメだね」なんて言われかねない。
これって、いろいろと事情を知っているファンはそうは思いにくいが、ファンではない人、関ジャニ∞を商品として見ている業界の人、メディア関係者はそういうわけにはいかない。
視聴率が取れる商品なのか、売れる商品なのかという目線でしか見ないはずだ。
平均視聴率が12%、司会があの明石家さんま、しかもその番組のスペシャルで目玉コンテンツとして取り上げてもらえるとなったら、関ジャニ∞は先方の要求をある程度飲むしかなかったと思う。
というか、そういう人気番組だから、関ジャニ∞メンバーがどうこう言うなんてことは皆無だろう。
言ってしまえば、完全お任せ状態だったと思う。
だからメンバーも、収録で初めてどのような感じの番組になっているかを知ったんじゃないだろうか。ヘタしたらオンエアで理解するのかもしれない。
あと、ファンだけが見るのではないテレビ番組で、重要な話をしゃべられてしまってガッカリという面があったようだが、番組側が「ウチだけの初出しのものをお願いします」と圧力といっていい圧力をかけてきただろうということは想像できる。
だってスペシャル番組ですよ、明石家さんまの司会ですよ、おいしいでしょ、あなたたちのためにこっちはこんなに用意してるんですよ、だからそれに見合う、番組が大々的に宣伝できる目玉になるものをくださいと言ってくるのは当たり前だ。
そして出演するからには、それに応えなくてはいけない。
(メンバーが返事するよりも先にマネージャーが決めてしまってる可能性だってあるのでは?「出演することになったので、先方に目玉になるの話をしてください」って)
それにSnow Manも関ジャニ∞も新しいファンを獲得し続けていかなければならない。
これは、彼らがファンというものがいないと成立しない商品だからだ。
だから、ファン以外も見ることができるメディアに出演して、しかも自分たちに関心がない人たちを引きつける内容を提供しなきゃならない。
また脱退したひとりのメンバーのことしか、メンバーが語らなかったと憤慨している人も見たが、口にしていたとしても編集で切られている可能性だってある。
放送されるものが、すべてではないのだ。
賛否両論が起きるのはファンとしては辛い場合があるが、番組的には成功したと考えるだろう。(BPOにひっかかるような内容ではない限り)
番組側が恐ろしいのは話題にならないこと、視聴率が取れないことだからだ。
今回他グループについて思ったことを書いたが、Snow Manが同じような目に遭う可能性は充分にあると思った。
脱退するとか、そういうことではなく、Snow Manがメディアに勝手に脚色されてしまう恐れがあるということだ。
いざ収録が始まってみたら、とんでもない内容で、でも断ることができず、でもなるべく自分たちなりに抵抗や対応をして臨むような事態になる、そんなことが起きかねないなと、この番組とファンの反応を見て思った。
その時、私たちはまず冷静に状況を把握しなきゃいけない。
人気番組ほど、出演者の思い通りにはならないんだなと、私は思うことにしてる。
編集の暴力だってあるだろう。
できれば。
Snow Manがそのような目に遭いませんように。
Snow Manが正しくとらえられてのメディアに出演できますように。
でもチャレンジさせてもらえたり、新たな魅力や才能を発掘してもらえますように。
それとも、メディアの勝手な脚色にまみれる経験をしたほうが、彼らは成長するのだろうか。
関ジャニ∞はどういう番組かということを察知して、とてもうまく立ち回っていたと思う。
さすが関西。
さすが20周年を迎えるグループ。
さすがメンバーの脱退を乗り越えてきたグループ。
後に登場したYOSHIKIさんを引き立たせつつ、自分たちも適度な存在感を出していた。そして、ちゃっかり楽曲提供してもらうことを取り付けていた。
「タダでは帰りまへんで」
彼らは、私なんかが思うより、ずっとずっとたくましいのかもしれない。
そういや。
Snow Manにも。
関西人がいたような………?