あのSnow Manのこと綴らせて下さい

ジャニーズのSnow Manのことを綴ります

タッキーはずっと怒ってるのかもなぁ

 

 

 嵐がデビューした時、タッキーがメンバーにいなかったのに驚いた人がたくさんいた。

 1999年11月。それくらいタッキーはデビューしてもおかしくない状態だった。

 当時120人ほどいたジュニア。

 黄金期といわれ、その中心的存在であるタッキーは絶大な人気を誇っていた。

 その直前に放送されていた『魔女の条件』でのタッキーは同世代だけでなく大人の女性も魅了し、10月にはジュニアだけで東京ドームコンサートを開催していた。

 デビューのタイミングとしては最高だったと思う。

 だけどタッキーはいなかった。

 その人気のためにデビューが遅れてしまったと明かされるのは随分後になる。

 翼くんとデビューしたのは2002年。

 旬を逃してしまったといわれていた。

 

 

 ジュニアが停滞している感じがあったのは2010年代になるかと思う。

 その真っ只中にいたのが、Snow ManSixTONES、TravisJapan、Love-tuneあたりだったのかなと。

 コンサートも精力的に行われていただろうけど、タッキーが『滝沢演舞城』『滝沢歌舞伎』で、光一くんが『SHOCK』シリーズで、ジュニアを起用したりして、ジュニアが表に出る機会を一生懸命作っていた印象がある。

 デビュー組が関わっていると地上波のテレビでニュースとして流れたり、雑誌に掲載されたりしやすいからだ。

 タッキーや光一くんが何かしら地上波の番組に出演するときに、チャンスがあればジュニアを紹介していたことが、よくあったなぁと思い出す。

 だけどタッキーがジュニアの時の黄金期のように、Snow Manをはじめとしたその頃の中心的存在のジュニアはメディアに取り上げられたり、地上波の番組を任されたりする機会は少なかったんだろう。

 そうすると、なかなかデビューの機運が生まれない。

 そうすると、どうしても渦中にいる人間は迷ってしまう。

 モチベーションを保つのに苦労する。

 希望を持てなくなってしまう人もいるだろう。(さっくんが同期がいなくってしまったと言ってたなぁ)

 光一くんが早々にネットの活用を進言していたらしいけれど、それもなかなか受け入れられなかった。

 だからジュニアでいることに疑問や不安を感じる人が多くなっていたのかもしれない。

 ジュニア全体に停滞感が漂っていたのかもしれない。

 それを打破しようとおそらくタッキーが中心となって推進したと思われるジュニアのYouTubeチャンネルが開設されることになった。

 タッキーが中心となったのではと思ったのは、開設後YouTubeのアーティストプロモに選ばれた初の日本人であるSixTONESのプロデュースをタッキーがしていたからだ。

 これはメディアに厳しい統制をしていたジャニーズにとって革命的出来事だった。

 そしてタッキーは自分が社長に就任したとたん自社公式の『ISLAND TV』も開設。より自由にジュニア全員が自ら発信できる場を作った。

 そして、おそらく可能な限りの地上波番組に、タッキーはジュニアを送り込み始めた。

 レギュラーとなれる場合は、もちろんレギュラーとして起用してもらい、ゲストだったとしてもまた次回呼ばれるようにと働きかけたんだろう。

 もちろん出演するジュニアにも発破をかけただろうし、ジュニアだって地上波に出れるとなれば気合いの入りかたも違うだろう。

 そして現在、「デビュー組との差がない」と感じる人がいるくらいジュニアをテレビで見る機会が増えたし、アイドル専門誌以外の雑誌、おもに女性ファッション誌に掲載されることが各段に増えた。ラジオもだ。

 デビュー前でも冠番組や、ジュニアが主演のドラマだって制作されるようになった。

 

 そうすると、なかには「デビューしなくても、これだけ仕事があればいいやって思っちゃうジュニアが出てくるんじゃない?」と思う方もいるだろうし、そういうジュニアが現れる可能性もある。

 だけどタッキーが地上波や雑誌にジュニアが出るようにしているのは、デビューの機運をつかませるのが一番の目的なんじゃないかと思う。(ちなみにラジオは男性ファン獲得の意味合いが強いんじゃないかと思ってる)

 YouTubeや『ISLAND TV』はこちら側が検索して見ないとなかなか見ないものだと思う。偶然見つけるのは難しい印象がある。(私みたいなおばちゃんはネットで決まったものしか見ない傾向があるし、実際公式のジュニアチャンネルとかの存在知らなかったしな。でも多大な人気を得るには、あらゆる世代が“見る”必要があると思う)

 だけどテレビや雑誌は、偶然、たまたま目にする人が現れる可能性がある媒体だ。

 デビューするということは、そういうたまたま目にする人も取り込んでファンを増やしていかないといけない。

 だからデビュー前から多くのメディアに出るようにし、ファンが増える機会を作ってるんだと思う。

 「デビューしてほしい」と思う人を増やしてるんだと思う。

 かつて、自分がそうだったように。(そして彼はその機会を逃してしまったのだけれど)

 それにジュニアが活躍すると、デビュー組にはいい意味で焦りが出ると思う。そうするとデビュー組だって、より頑張るだろう。相乗効果が出るわけだ。

 事務所自体に活気が生まれることになる。

 

 そして、デビュー組とさして変わらない状態のグループが実際にデビューしたとしたら。

 あまり知られていない状態でのデビューより、はるかにインパクトがあるものになると思う。

 メディアに取り上げられる量だって、きっと多いはずだ。(なにわ男子は、まさにその代表例だったんじゃないかな)

 しかもすでに知っている存在だったグループがデビューしたということで歓喜する人も、あまりメディアに出てなくて知られていない場合より、はるかに多くなって、より祝福ムードが沸く。

 ジャニーズでは“デビュー”というものが特別感があるから、そのグループの喜びようも目にすれば、やはりデビューできてよかったと思うだろう。

 その喜びようをたまたまメディアで見て、心動かされる人だっているかもしれない。

 そうすると、誰もが目にできるメディアに出るということは、また取り上げられるということは、やはり重要なのだ。

 

「デビューの瞬間を見れた」

「やっぱりデビューは特別」

「デビューさせてみせると思ってた」

「私たちがデビューさせた」

「デビューへの後押しができた」

「デビューはスタート。また応援しなきゃ」

 そういった感情を持つ人が、ジュニアの時からメディアに出る機会が多いほど、少ない場合よりはるかに増える。

 そうすると、ただデビューするより、強い感情を持って応援することになると思うのだ。

 

 

 

 

 タッキーは、とくにSnow Manをかわいがっていた。

 だからこそ、彼らをなんとしてでもデビューさせたかったんじゃないかなと思う。

 だけどデビューには“機運”が必要だ。

 

 ファンはもちろんいつでもデビューしてほしいと思っているけれど、なんていうか「そう、ここだよね」というポイントが必要な気がする。ファンであればあるほどだ。

 あと世間的にも注目を集めやすい時でなければならない。

 これだけ実績が、そして人気があるからデビューするんですよと、メディアが説明しやすくないといけない。しかも、できるだけ多くの媒体に。

 あと非常に重要だと思うのは運営が強く売り出したいと結束できるかどうかだ。

 グループのために自分は多少犠牲になってもいいと思えるほどの人材が付くかどうか、またお金が使われるかどうか、だ。

 

 

 タッキーはかわいがっているSnow Manに最高のデビューの機運を与えたかったし、さらにはデビューしてからも強い人気を得てほしかった。

 自分が最初に手掛けるデビュー組。

 世間からの注目が高いことは自覚していただろうし、もちろん失敗なんて言われることは許されない。

 だけど当時のタッキーからすると、Snow Manは機運をつかめていないと感じたのかもしれない。

 かといって機運をつかませていると、ますます機運を逃しそうだ。

 ジャニーズ初、日本人初のYouTubeのアーティストプロモに選ばれたSixTONESを、まずデビューさせることも考えただろう。

 だけどSnow ManSixTONESもある意味、機運を逃しきっているとタッキーは思ったのかもしれない。

 2組に爆発的といえるほどの注目度が欲しい、ここ数年にないほどの話題性が欲しい。

 タッキーはそう考えた。

 賛否両論が巻き起こるほどのインパクトがあるものにしなければならない。

 あと、ジャニーさんが前線で仕事ができる時間が残り少なくなってきていると感じていたのかもしれない。SMAPのことも一因になっていただろう。

 だからこそ、現役を辞めた。

 

 そして、タッキーはSnow Manのために、最大のデビューの“機運”を用意することにした。

 

 かわいがっているSnow Manに増員を提案した。

 

 かわいがっていたからこそSnow Manに衝撃の強い“機運”を用意したのだ。

 

 

 事実かどうかわからないけれど、SixTONESSnow Manのデビューのために、単独デビューの機会を犠牲にされたという話もある。

 もしそれが事実なら、SixTONESファンはどう思うだろう。

 Snow Manのことを快く思わず、SixTONESへの応援に熱が入るだろう。デビューを何よりもめでたいものに、そして華々しいものにしようと燃えるに違いない。

 

 もしそういう考えではなかったとしても、同時デビューということは「VS売り」されるということだった。

 それをファンが気にする気にしないはともかく、お互いのグループが目につくことは確か。

 そして中には自分が応援するグループが負けないようにと、単独デビューの場合より、はるかに熱を持って応援する人が出てくる。

 マスコミだって書きやすい。

 

「史上初の同時デビュー!VS売り!」

「タッキー初のプロデュース!」

「ジャニーさんが最後にデビューを決めたグループ!」

 

 同時デビューを決めたのは「最後にジャニーさんがデビューを決めたグループ」という肩書きを、SixTONESだけでなくSnow Manにも与えたいという面もあったかと思う。

 2組にだって、そう伝えることで、よりデビューへの強い気持ちが生まれるだろう。そしてデビューしてからも、その肩書きは糧にも、そして戒めにもなる。

 SixTONESを先にデビューさせれば、SixTONESがそのグループになるかもしれない。

 でもジャニーさんの容体が安定すれば、その肩書きがSnow Manのものになるかもしれない。

 タッキーはどちらかだけにその肩書きを与えるのは良しとしなかった。

 だから同時デビューを考えた一面もあるのでは。

 

 そしてSnow ManSixTONESは20年ぶりに開催されたジュニアが一堂に会するコンサートで、賛否両論を巻き起こしながらデビュー発表する。

 レーベルが違うのに2組の曲が入ったCDにてデビュー。

 デビュー前にもかかわらず、多くのテレビに出演し、雑誌に掲載された。

 しかも基本的には2組で出演して「VS売り」を強調。

  

 

 そしてSnow ManSixTONESはデビューした。

 

 

 そして史上初、レーベルの域を超えて発売されたCDは発売3日目でミリオンを達成する。

 

 これはタッキーが2組のデビューの機運を、賛否両論を巻き起こしながらも高めに高めた結果だったからじゃないか。

 

 その後もこの2組のCD、DVDなどの映像関連作品、雑誌は次々と記録を叩き出すことになる。

 

 

 

 “判官贔屓(ほうがんびいき、はんがんびいき)”という言葉がある。

 不遇の人や弱者や敗者、また才能があるのにチャンスに恵まれない人などに同情し、贔屓してしまうことだ。

 日本人特有だといわれることもある。

 日本人は勝利者や権力者、英雄よりも、不遇の人らのほうに哀愁や親しみを感じ、応援してしまいやすいらしい。

 

 だからSnow ManSixTONESは売れてるのかもしれない。

 

 なかなかデビューさせてもらえなかった。

 やっとデビューが決まったのに同時デビューで「VS売り」された。(SixTONESファンからすれば単独デビューを邪魔されたと思うことがあるかもしれない)

 デビュー発表は他のジュニアがいる場で、心からリアクションを取れるようなムードじゃなかった。(めめちゃんにいたっては、まだ宇宙Sixにも所属している状態だった)

 Snow Manは6人でデビューさせてもらえなかった。(そう思わない人もいるとは思うが、こう思う人もいるかと)

 

 同時デビューや増員などは、一概にマイナス事項というわけではないし、プラスだったと考えることもできる。

 だけど、そうやってマイナスに受け止める人もいるような、感情を揺さぶるような、インパクトをもたらすような状況だった面はあると思う。

 

 そうするとファンは強い感情を持つ。

  

 辛いことをたくさん乗り越えてきたグループやメンバーに対して。

 デビューが「VS売り」という特殊な状態のグループやメンバーに対して。

 

 そういう経験をしてきたんだと知ることで応援したくなり、デビュー後にファンになっていく人も現れてくる。(←私はこのタイプ)

 

 そんな判官贔屓が結実したからこそ、2組は売れたんじゃないか。

 

 タッキーはそう思いやすい日本人の性質も見越していたのかもしれない。

 

 自分の時のように、機運を逃すことはしない。

 いや、機運を作り出してみせる。

 そう思いながら。

 

 ジャニーさんがいなくなったら、ジャニーズはお終いだ。

 スノストにはカッコいい人はいない。

 デビューしたばっかりのくせに年取ってる。

 韓国アイドルよりダンスも歌も劣ってる。

 

 そんな声に静かに怒りながら。

 

 でも、そんなことを言われてると知ると、2組をますます判官贔屓する人が増える可能性がある。

「本当にそうなの?」と疑問を持つ人が出てくる。

 

 そして彼らを見る。

 もちろんその通りだと思う人もいるだろう。

 だけど、「全然、そんなことないじゃん」という人も現れる。

 

 溢れる才能や魅力があるのに、長く恵まれなかった彼らを応援したくなる人も現れる。

 

 タッキーは、彼らがそういう人たちだと知らしめたかったんじゃないだろうか。

 そういう彼らに、強い強いファンと人気を与えたかったんじゃないだろうか。

 

 

 どんなに批判を浴びようとも。

 どんなに自分が嫌われようとも。

 現役を退いてまで。

 

 

 

 静かに、静かに怒りながら。

 

 

 

 

 

 

 

 ちなみに判官というのは、源義経のこと。

 

 

 タッキーが初主演した大河ドラマは『義経』だった。