「ひーくん、かわいい」
「ひかる、守ってあげたい」
照くん推しの方が、よくこうおっしゃっている。
もちろん、その前後には「カッコいい」という単語がついていることも多いのだが、ファン歴が長い、あるいは熱が高い方ほど、照くんを「かわいい」「守りたい」といっているような気がする。
周知もいいところだが、照くんはあの筋肉バキバキの肉体を持ち、SASUKEにも出演している人だ。
そもそも顔つきも「かわいい」人とは言い難い、と思う。
「笑うと目がなくなってかわいいのよ!」とおっしゃるかもしれないが、それは笑っていない時の顔が「かわいい」ではないからこそ、そういう表現が成立するわけであって、ともかく第一印象が「かわいい」人ではないと思う。
かわいかったら、雑誌の性質上『Tarzan』の表紙にはならないと思う。
照くんは、ともかく「強面でバキバキの肉体美を誇る人」というのが一般的な印象ではないだろうか。
それに、ご自身でも「ヤクザ役とかやってみたい。似合うと思うから(笑)」的なことも言っていたので、「怖い印象」だったり、言いかた悪いが「ガラが悪い」(←映画『少年たち』とか一番ハマってると思いましたよ、ええ)だったりが先に立つ強面の人なのだ。
そしてリーダーとして、しっかりとしたコメントを言うし、自分をリーダーとして選んでくれたメンバーの意思をきちんと受け取っていて、そのことを常に考えている。(『それスノ』裁判でリアクションが薄いことを責められた時に「リーダーなのに、こいつはしゃいでるとかって思われるとどうなのかなって思って」云々言っていたし)
肉体を鍛え始めたのは映画撮影中のベンチプレスやら、共演中の俳優との腕相撲に負けたからやらとおっしゃっているようだが、ともかくジャニーズの中で一番の筋肉をつけたいというところがあるらしい。
それは、彼がとても怖がりだからなのでは。
私はそう思う。
お化け屋敷も生き物も昆虫も怖い。
水も苦手。
ジェットコースターもイマイチ。
箱の中身は~、ビクビク。
御朱印集めてる。
彼女がスカートをはくのは許せない。
知ってる場所でも待ち合わせて行きたがる。
ふっかさんとの距離感がおかしい。
アクロバットができるようなるまで数年かかってる。
そして、とてもとてもグループとメンバーを溺愛している。
彼氏には、お化け屋敷に入ったら大丈夫だよと守ってほしい、生き物に対して堂々と対応してほしい、虫が出たら退治してほしいと思う方も多いのかなと思うのだけど、そう考えると彼はまったくの対象外ということになる。
スカートをはかないでと言い、男友達と「え?夫婦?」と思うような距離感で仲良くしてるのも(特殊な環境にいる面もあるが)、もし彼女だったとしたら複雑に思うところがあるのでは、と思う。
アクロバットができるようになるのに時間がかかったのも、アクロバットがどれだけ危険かということがわかっていたからではないか。
その危険で怖いことに必死に立ち向かっていたから、時間がかかったのではないか。
神仏によく参拝し、グループやメンバーを誰よりも愛してるなと感じさせるのは、それを失うことへの恐怖が人一倍であって、人より心が繊細で怖がりなところがあるからなのではないか。
だけど彼がそれでもファンに指示され、グループのリーダーになっているのは、それを自分で認め、克服しようとする心意気を持っているからだと思う。しかもパーフェクトに。(まだ途中、というものもあるけれど)
その一番わかりやすい方法のひとつが肉体を鍛えることだった。
そして、アクロバットを極めることだった。
アイドルだから、外見に個性を持たせつつ美しくなること、そして特技を身につけることはとても大きな自信になったと思う。
それは自分のためでもあり、グループのためでもあった。
そんな自分の怖がりな部分に向き合い、真摯に克服しようとする姿が、彼を6人時代のセンターに、そしてエースとしてのポジションをもたらしていく。
だけど彼は体を鍛え、アクロバットをこなすだけでは終わらない。
彼は堂々と人前やカメラの前で、泣くことができる人だ。
それは、ちゃんと自分が怖がりなところがあると認めていて、それを隠さない「潔さ」があるからだと思う。
それは彼の持つ独特の美学みたいなものも関係していると思うが、またそれについてはいずれ別記したい。
ともかく自分が怖がりだということを自覚していて、そのうえで体を鍛え、アクロバットができるようになった照くんは、3人の加入を受け入れ、センターをラウちゃんに譲った。
これって、なかなかできないことだと思う。
照くんは6人時代にセンターを張っていたんだし、そのポジションを獲得するまでに、それはそれは努力したんだろうし、それをはるか年下の経験が浅い子に譲るのは、並大抵の覚悟じゃなかっただろう。
もしかしたら、溺愛しているグループが壊れてしまうかもしれない。
失くなってしまうかもしれない。
そう、一番恐怖を感じたんじゃないんだろうか。
怖がりな子だから。
だけど照くんは持ち前の怖がりなところを認める力で、9人のSnow Manでリーダーになるという「潔さ」を見せる。
6人時代にはリーダーがいなかった。
9人になったところでリーダーを決めたのは、ふっかさんが大きく影響しているらしいが、それは大正解だと思う。
ふっかさんは、わかってたんだと思う。
照くんが怖がりで、でもそれを自覚していて、それを克服しようと頑張れる人だって。
そういう人こそSnow Manのリーダーにふさわしいって。
新しくなったSnow Manを、デビューするSnow Manを、牽引していく力が最もあるのは照くんだって。
まさに見せるべき素晴らしい背中を持ってるって。
(ふっかさんは全然怖がりじゃないからね……。だからSnow Manの精神的支柱もこなせるんだけどさ)
自分の怖がりなところをさらすことを恐れない「潔さ」がある照くんだからこそ、Snow Manのリーダーにふさわしいって。
Snow Manのもうひとつの顔になれるって。
だからSnow Manは、ふたつの顔を冠しているグループなんだなって私は思ってる。
最初はみんな、センターであるラウちゃんを見るのかもしれない。
だけど、すぐ気づくと思う。
もうひとつ、それに負けない顔を持った男が、その傍らに立っているって。
(そして、みんなすぐにその周りを囲む顔もすごいってことに気づいて、箱推しになっていくんだけどさ。私、Snow Manのファンは基本的に箱推しだと思ってるんだけど、違う?)
そんな怖がりな子が頑張っているから、みんな「かわいい」「守ってあげたい」って思うようになるのかなって。
それに。
思うんだけど。
照くんはメンバーの中で一番、メンバー全員と距離が近い人なような気がする。
しかも“甘える”ほうで。
あのラウちゃんですら、照くんをかわいがっているところがあるからな。
(さっくんと康二くんもなかなかだけど、あの二人は“弟”だからね。それに康二くんは“甘える”だけじゃないし、さっくんは“甘えない”から)
もしかしたら、ファン以上に照くんを「かわいい」「守ってあげたい」と思っているのは、メンバーなのかもしれない。
口に出すと、きっと「そんなことなぁい」ってスネるから、みんな言わないんだろうけど。